法律事務所のスタッフに求められること

先日の5連休の後、暦上は次に5連休になるのは11年後という情報に強いショックを受けたあおのです。
当事務所では、あおの暦を別に作成して運用することにします。

さて、事務所のホームページや弁護士会等のホームページをご覧になった方はご承知のとおり、当事務所は事務職員の求人を出しています。
なにぶん私の一人事務所であるため面接時間も多くは取れず、少人数運営のために人間的な相性も無視できないなど、様々な制約からかなり慎重に選考を重ねています。
多くのご応募をいただいたことに感謝申し上げますとともに、書類や面接を経て残念ながらご縁のなかった方には申し訳なく思っております。

ということで、今日は、うちの面接の中身とは離れて、法律事務所のスタッフに対して、私がどのようなことを期待しているかを書きたいと思います。
なお、うちの事務所の面接対策になるわけではありませんので悪しからず(笑)。

私の尊敬する弁護士は、「法律事務所のスタッフは、法律専門家である弁護士と車の両輪でなければならない」とお話しされていました。
私も、独立するまでに2つの事務所を経験していますが、法律事務所はスタッフがいなければ成り立たないと思います。

弁護士は、法律の専門家です。
弁護士法上、法律的な業務を行うことは弁護士にしかできませんし、スタッフに任せることはできません。
そういう意味では弁護士のコア業務は、弁護士にしかできない、代替性のない仕事に特化していると言えるでしょう。
他方、私たち弁護士がやる仕事は、社会の様々な問題を扱いますし、相手方はもちろん様々な関係者がいます。
例えば、不動産が絡む事件では、不動産の情報を収集し、関係者から話を聞き、査定を依頼し、資料をまとめるなどの仕事をします。
不動産情報を収集するための登記情報や固定評価照明の取得、現地での調査や不動産屋との折衝、資料の作成や計算など、いわゆるデスクワークのみではないけれど、でも法律家でなければできない仕事であるわけではありません。
手続きや法律を理解したスタッフがいてくれれば、かなりの部分を対応できます。
そうすると、弁護士は法律に特化した部分に注力でき、仕事のクオリティは上がります。
また、人によりますが、特に私は細かな作業をするのは苦手であり、また私がやるのは無駄に時間がかかると思っていますので、得意な方にして欲しいと思いますし、同様の考えの弁護士も多いでしょう。
そうすると、そのような業務の経験の多い事務職員が対応することは、正確性と迅速さという意味でも、仕事のクオリティを上げることになります。

また弁護士の活動領域も拡大していて、これまでスポットの当たらなかった社会分野で積極的に活動する弁護士も増えています。
例えば、障がい者福祉の問題を扱う弁護士は、法律コアな仕事ではないかもしれませんが、他の専門家との共同作業であり、先方は弁護士としての専門知識や経験を必要としています。
そこには、法律コアな業務ではないけれど、弁護士でなければできない仕事、が存在します。
(なお、当事務所の「法と社会のプラットホーム」とはそのような多分野に参加して協働することを指しています。)
このような弁護士のいる事務所では、ますます、弁護士しかできない仕事、に弁護士は注力できる環境と時間が必要になり、スタッフのサポートが極めて重要です。
私の場合は、弁護士会の嘱託もしているため、当該業務は弁護士以外には代替性がありません(私でなければならないかはさておき 笑)。

これらは一例ですが、つまるところ法律事務所のスタッフは、いかに弁護士をコア業務に注力させることができるか、が最も求められる業務であろうと思っています。
もちろん、いわゆるパラリーガルと言われるようなベテラン事務職員の知識と経験は重要です。
一方で、専門的なパラリーガルであろうが1年目のスタッフであろうが、上記の最良の弁護士のパートナーあり、最高のサポーターであって欲しい、という点は変わらないと思います。
そんな事務職員が経験と知識を重ねると、まさに事務所になくてはならない、代替性のない「専門家」になるのであろうと思います。
(余談ですが、弁護士より高い給料を払い、弁護士が辞めてもスタッフに辞められると困る、とボスから言われるレベルの事務局長はたまにいます)。

もちろん、弁護士自身も、スタッフに働きに見合う、最良かつ最高のパートナーであるよう、仕事をしなければなりません。
日々の応対や待遇を含めスタッフを大事にして、ともに事務所の運営を考えられる関係を築いていかなければなりません。

ということで、こっちサイドのハードルを上げると後々困りそうなので、今回はこの辺で(笑)。
弁護士  青野博晃