労務管理のすゝめ

あおのです。

本日、中小企業家の勉強会で、「人事労務のトラブルと対策の実例」と題してお話をしてきました。
会からご指名をいただいたのですが、講演しておいて何ですが、実はあおのは労働関係の案件がさほど専門ではなかったりします(笑)。
他方、以前所属していた事務所は中小企業の法務サポート全般に対応しておりましたし、中小企業の経営者の方のご相談を受けていると、自ずと労務問題のお話が多くなります。
ということで、喜んで(そして過去の自分の講演レジュメを切り貼りしてw)お話に臨ませていただきました。

講演内容については、費用を支払われて参加された方との不公平が出ないよう、こちらに上げることはしません。
ただ、その中で最も伝えたいことを書いておきたいと思います。

あおのは、実は、必ず労働法制を企業が守るべきだと言いづらい部分を感じることがあります。
それは、現在の労働法制は労働者VS大企業を前提にしていて中小企業が労働法制を100%守ったら会社が潰れてしまう、という経営者の方の言い分を否定し難いときがあるからです(中小企業にとって、もう少し柔軟にして欲しい部分がいくつかあります)。
ついでに言えば、私は、法律家は法律の遵守や価値観を市民や企業に強制すべきでない、と考えていることもあります(この点は、刑事弁護などについての私の考え方に繋がるのでまたの機会に)。

しかし、労働法制を守らずに紛争が起これば、当然、企業が負けます。
ですので、事件を含め労務管理について経営者の方にお話する際は、負けたらどうなるか、会社にどんなダメージが生じるのか、それが金銭だけではなくその企業の社会での在り方や経営理念にどんな影響をもたらすのか、労働者にとってはどうか、をお話することで、リスクを含めた価値判断を経営者に考えてもらうようにしています。

そういう意味では今回の講演も、こういうことすると裁判で負けますよ、企業にこんなダメージがありますよ、それはあなたが経営をする目的に沿いますか?、という点に主眼を置きました。

労務管理に限らず、企業の経営には常にリスクが伴います。
そうすると、経営者は、(金銭以外の価値を含めて)どこにリスクの芽があるのか、リスクを抑えつつ経営をするにはどうするかという、インシデントの発生を防ぐ予防的視点で経営を考えるべきではないかと思います。

そういう視点の中で労務管理を考えると、自ずと労働法制を守った方がリスクが少ないし、社員を大切にして経営した方がみんなが楽しい、と思ってもらえるのではないかと感じています。
もちろん、言うは易しですので、そのサポートをすることが、法律家であるあおのの務めだと思っています。

ちなみに、あおのが常勤の事務局員を雇わないのは、仕事を通して労務トラブルの恐ろしさを心底感じているからだったりします(笑)。
いやー、人を雇うのって難しいですね。。。
弁護士 青野博晃